Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
「綺麗……」
ステラさんは街の中にあるアクセサリーの店を見ながらそう呟いた。
「ステラさん、街初めてでしたか?」
ジャンが聞いた。先程から、ジャンは街ではなくステラさんを見ている気がしてならない。
「うん、……ここは初めて。こんなに賑やかなのね」
どこか寂しそうにステラさんは答えた。ヴァ二と呼ばれる少年がステラさんの顔を気遣わしげにちらっと見たのを俺は見逃さなかった。
「エレン、逸れないで」
ミカサが俺の腕を引っ張ったのを感じたが、ステラさんを見るのに忙しかった俺は気にとめなかった。
「すみませんステラさん、今日やけに人多かったですね……何処か寄ってお茶にしませんか?」
ステラさんの隣でヴァ二…さん(なんと呼んだら良いか分からない)が言った。
俺達は、先頭にステラさんとヴァ二さん、その後ろに俺たち全員がくっついて回っていた。
隣のミカサは俺の腕をつかみながらもステラさんを見ており、ジャンも未だにステラさんを見ている。
コニーとサシャは、先程から、ステラさんを見ながら「……きっと恋ですよ恋、」「……あの人に限って失恋なんかあるか?」などと訳の分からない話を小声でしていた。
するとアルミンが唐突に小さな声で言った。
「…やっぱりコニー達もそう見えるんだ?」
「ええ…どっか悲しそうですよね、今は楽しそうにしてますけど」
サシャが楽しげに答えた。
「おい、何の話してんだよ」
俺は思わず聞いた。
「……これだから田舎育ちは…」
「勘ですよ勘!野生の勘!」
コニーはふっと笑い、サシャはどんと胸を叩いた。
「あ?どういうことだよ!」
アルミンも苦笑しながらまあまあ、と言っていた。