Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
「エルヴィン……急に呼び出されたと思って来てみればステラがいねぇ様だが?」
その頃リヴァイは、エルヴィンに呼び出されて兵舎にいた。
「ああ、言っていなかったな……ステラは今エレンとヴァニーユと街だ」
「……街だと?」
「ああ、……あまりにも辛い表情をするし、彼女の部下も頼むから休ませてあげてくれと懇願してきたからな。……それにエレンと話す良い機会になる」
「……随分とステラに甘いな」
「1番ステラに甘いのはお前の方だろう?リヴァイ……まさか、彼女を甘やかすこともお前だけの特権か?」
笑いながらエルヴィンは言った。
「ああそうだ、」
「なら俺が入り込まないうちに取り返すんだな」
リヴァイは、エルヴィンが口説いたかもしれない事実に加え、以前ハンジの言っていた、‘エレンもステラを気に入っている’という言葉を思い出しながらまたイラついた。
ステラとは一緒にいることが多かったものの、何かとタイミングが無く街になどは一度も行っていない。
もう耐えられない。
あいつに関することは全て俺だけのものだ、とリヴァイは自分の中の黒い感情が唸るのを感じた。
彼女が嫉妬しているから自分を避けている、と原因は分かってはいても、他の男と街に行くなど、……と、自分も嫉妬している事実に気付き、抑え込んでいた感情が爆発しそうだった。
「リヴァイ、……今から街に乗り込もうとしているようだが、生憎この仕事はやってもらわねば」
リヴァイはこれでもかと言うほどエルヴィンを睨んだ。
既に、リヴァイの中の黒い獣は爪を立てて歯を剥き出しにし、今にも目の前にいる人物に襲いかかろうとしていた。
資料を奪い去り、ステラが戻ってきた時にはどんな手を行使してでも捕まえてやる、と決心し、旧調査兵団本部に戻ることもせずに、兵舎内の自らの部屋で仕事をした。