Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
「えっ?」
俺は思わずステラさんの方を振り向いた。
「そうしよう!ねえ、ヴァ二」
「ですがステラさん……俺は貴女に楽しんで欲しい」
ヴァ二と呼ばれる少年は、少しふくれて言った。
「人が多いほど楽しいよ、それに皆の話も聞きたいし……」
だめ?と首を傾げるステラさんは可愛く、折れたのかその人ははぁ、とため息をつきながらも了承した。
「…それじゃあ俺馬車捕まえてきますから…待っててください、ステラさん。……お前達、頼むからこの人から目を離さないでくれよ」
俺とアルミン達は、彼にお前達、とびしっと指をさされた。ステラさんに何も起きないように目を離すなということだろうが、言われなくとも、全員がステラさんに釘付けだった。
「本当にいいんですかステラさん……」
アルミンが遠慮がちに言った。
「勿論!……相変わらず君は優しいね、アルミン」
「ステラさん、さっきの人が副分隊長なんですか?」
コニーが珍しくステラさんに聞いた。
「そうよ……本当に頼りになる子よ」
「あれですか…あの…ステラさんが直々に引き入れたっていう……」
ジャンも遠慮がちに聞いた。
「ふふ、…そこまで情報が回ってるのね……そうよ。私が訓練兵の時から慕ってくれていた……上官達を除いたら1番付き合いが長いかも。……だから彼に任せすぎてしまうこともある……気をつけなきゃなあ…」
後半は独り言のようになっていたが、そこまで長くいたという事実に、やはりもやもやを抱えてしまう俺は、この人に抱いているのは尊敬だ、と言い聞かせた。