Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
「ミカサ!」
ステラさんはぱあっと顔を輝かせて振り向いた。
……それにしても、本当に可愛い。
先程から以前も目にした部下のヴァ二、と呼ばれている人は頭を抱えている。
以前、アルミンとミカサと、ステラさんは高嶺の花だから恋仲となるなら団長や兵長だろう、という話になったことがある。
実際、自分がこの人に恋をしているかと聞かれると、分からないと答えてしまう。
尊敬が大きく、だが少しの仕草も可愛いと思ってしまう。彼女の立体機動の腕や、対人格闘の腕を見なければ、守りたいと思わせる存在だ。
だがきっと尊敬が僅かに大きいのだろう。その証拠に、この1番の部下であろう、訓練の時から見かけていたヴァ二と呼ばれる人に嫉妬している部分がある。
そんな気持ちを抑えながら、ステラさんの方を見る。
気付いたら、彼女の周りにはミカサとアルミン、ジャン、サシャ、コニーがいた。
「何処かにお出掛けですか?ステラさん」
ジャンが僅かながらに声を上げて聞いた。
「そうなの、少し街に。……皆、調査兵団に入ったのね……勇敢ね」
微笑みながら言うステラさんに、皆照れているようだったから無性にイラっときた。
「おい、ステラさんは今から俺と街に行くんだ」
「……あ?エレン、お前いたのかよ!」
「んだとジャン、俺はずっとここにいたろうが!」
ぎゃんぎゃんと騒いでいると、ステラさんが言った。
「ねえ、皆で行かない?」