Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第17章 嫉妬
「…エレン!」
ばっとステラさんが振り返った。
「ステラさん、どうしたんですか?まさか来てくれるなんて…」
エレン、と呼ばれた少年はこちらに歩いてきた。俺は急いで立ち上がり、ステラさんの隣にいった。
この少年が今回の___いや、調査兵団が前へと進む鍵だ。分かってはいても、どうしてもこの少年のステラさんを見る目が___今までもこの目をした者を何度も見てきたから___尊敬と熱烈な思いに溢れていることに気付いてしまう。
この人の想い人はリヴァイさんだ、そして部下として支える人は俺だ、と未だに子供じみた思いで堂々とステラさんの傍に立った。
「え、ええ……久しぶり、エレン。何か変わったことはない?」
あ、きっとステラさん、リヴァイさんと何かあってこの少年の様子見るように言われたの忘れてたな、と思ったが言わないでおいた。
「いえ特には……ステラさん、大丈夫ですか?とても疲れているように見えますが…」
「…大丈夫よ、ありがとう」
なんて優しい子なのだろう、とでもいうようにステラさんは笑った。だめですよステラさん…ほら、やっぱり赤くなった。また1人、貴女に思いを寄せる人が増えてしまう。
「…戻るんですか?ステラさん」
つい、話を遮ってしまった。
「……うん。戻ろうかな」
「街にでも寄りませんか?」
今、この少年が聞いている前で言うことではないだろうが思わず言ってしまった。