Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第17章 嫉妬
ハンジさん、ヴァ二と共に旧調査兵団本部に着いたのは、日は低い位置にあり、あと少しで夕日が見れるだろう時だった。
「ステラ、リヴァイの所に先に行っていてくれるかい?…1つ忘れ物をしたみたいだ」
「ハンジさん、私が取ってくるよ?」
「いやいや、いいんだ。それよりリヴァイと会っておいで。君もだけれど、向こうも相当キてるはずだ」
後半は私の耳元で囁いてハンジさんが言った。自然と顔を背けてしまった。
「わ…分かった。先に行ってます」
「うん」
にっこりと笑いながらハンジさんは言った。
「ステラさん、俺ここで待ってますね。……月が出ても戻られなかったら俺は先に戻ります、のんびりしてきてください」
にやっとしながら、馬を近くに繋いだヴァ二は木にもたれ掛かり、寝そべった。
「……も、戻るよ!」
夜になっても戻らない、リヴァイの元へ行く、となると‘それ’しか考えられない。それをヴァ二が配慮していることに、顔が赤くなったのを感じた。
「はいはい、」と笑いながら手を振るヴァ二を残し、久々にリヴァイに会える、と嬉しさが高まっていた。
2年会わなかった時もあり、24日会わなかった時もある。今回は何日だろうか、両手には確実に収まる程度だ。
それなのに、もう既に恋しくなっている。
任務に私情を挟むべきでないと分かっているが、望んでしまう自分に嫌気がさしながらも、足取りは先程よりも軽い気がした。