Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第17章 嫉妬
「エルヴィンまさか……あの子を囮に…?」
ステラが小さく言った。
「……そうとも言えるだろう。だが彼を渡す気は毛頭ない。彼は人類の希望だ」
ステラはエレンを囮とすることに納得いかないようだったが、それ以外に彼らをおびきだす方法は分からないため反論しなかった。
「だがどうするつもりだエルヴィン、そもそも誰が‘そう’なのか分からないんだろ?」
「……違う情報を渡そう。…エルヴィン、そういうことだろ?」
ミケが聞くと、ハンジが静かに言った。
「ああ、……私は5年前…壁が初めて破壊された時に紛れて彼らが侵入してきたと考えている。そこで線引きをする」
エルヴィンは資料を広げた。
「新兵勧誘はまだしていないが……彼らは特に注意するべきだ……そしてエレンは最も警備が固い…五列中央に置く。
これが本来の位置だ。5年前から生き残っている者以外には別の位置を教える」
「……その資料の作成をしろというのね」
ナナバがステラとともに言った。
「ああそうだ。……今回の本来の目的が達成されればエレンの引渡しも無くなるだろう」
話し合いの結果、ハンジは技術班と共に武器を思案することになり、ナナバとステラは偽資料の制作、ミケはリヴァイと共に‘裏切り者’の正体を突き止めるべく当日直接立ち向かう事となった。
皆、決意と絶望に満ちた目をしていた。