Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第17章 嫉妬
「…私達は今まで、人間が巨人になるなんて想像もしなかった。
でも実際、エレンは巨人になる能力を持っていた。…彼は骨の髄から巨人を憎んでいる。彼が人類の敵となることはまず無い……と私は思っている。
でももし…仮に、‘それ’を目的とした人間がいたら?
壁を壊した2体の巨人は明らかに我々人類の敵。
彼らは……あれらが本当に巨人なら、壁外調査の時に嫌でも目に入るでしょう。なのに壁が壊された時にしか現れていない。
もし彼らが人間であるのなら…エレンのように、‘人として’この壁の中にいることになる。
……私達の敵は、巨人だけじゃない」
全てを吐き出すかのように机に向かって話したステラは、話終えるとはあ、とため息をついてまた机に突っ伏した。
「残酷だ……この世界は」
小さくそう言ったステラは、静かに目を閉じた。
エルヴィンはステラを横目に見ながら話した。
「ステラの言う通りだ……。
いくら我々が壁外調査をしようと、壁をそう何度も壊されては元も子もない」
「だがエルヴィン……以前壁が破壊された時…エレンが壁を塞いでも彼らは何もしなかったということか?」
「……それよりも大事なものを見つけたとしたら?例えば…」
ミケとナナバの言葉をハンジが引き継いだ。
「………エレンだ」
ステラも体を起こしてハンジを見た。
「彼らにとって……巨人になれる人間にとって、エレンが巨人になれることは予想外だったんだろう。つまり…」
「…彼らは何らかの形でエレンを奪おうとするはずだ」