Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第17章 嫉妬
「エルヴィン、あったぞ…………ん?どうしたステラ」
机に伏せているステラを見てミケが言った。
「今ステラは溶けてるんだ、ミケ。もう少ししたら戻るよ……」
ハンジがにやっとしながら言った。その言葉通り、ステラは急にばっと顔を上げ、髪をかきあげて猛スピードで資料に取り掛かった。
「はは…まるで徹夜3日目のお前みたいだなあ、ハンジ」
「まずいな…風呂には入れなくては」
エルヴィンが資料から目を離さずに言った。
ミケもにやりとしながら、あと少しでナナバも来る、と言って仕事をし始めた。
暫くペンを走らせる音や資料をめくる音だけが響き、夕日が顔を出す頃にナナバが来た。
「悪いね、遅くなった……」
エルヴィンは顔を上げると、それまで持っていた資料を横に置き、そこにいる全員を見渡した。
「……話がある」
「ああ、だろうね。そうじゃなきゃ一気にこんなに集めないだろう」
ナナバが資料から目を離さずに言った。
「…次の壁外調査についてだ。……まず、…今回の目的は普段の壁外調査とは違う」
沈黙が続いた。
資料をめくる音も、ペンを走らせる音も無かった。
「…………裏切り者の捕獲」
ステラが資料を見つめたまま静かに言い切った。
エルヴィンは少し目を見開いてステラを見つめた。
「やはり気づいていたか、ステラ」
「……」
「続けてくれ」
縋るようにエルヴィンを見たステラに、話を続けるようにミケが言った。