Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第2章 自覚
翌朝も、そのまた翌朝も、ステラは俺よりも早く起きて紅茶を淹れていた。
何処かでそれを楽しみにしている自分がいる事に驚きながらも、彼女の側に寄る。
こいつが来てからどのくらい経った?
1年は経っていないだろうが、長い時が経過しているのは分かる。それなのにどうしてこんなにも飽きない?
女なんてその辺にいるだろうに、こんなにも目が離せないのはこいつだけだ。ファーランに言われて気が付いたが、自覚しないままに見てしまっている。
「リヴァイ?」
首を傾げ此方を見たステラと目が合った。また知らない間に見つめていたようだ。
「いや…何でもねぇ、ただ……」
「ん?」
何だろうと不思議そうに此方を見るステラの目から目を逸らす。
「ただ……お前の目が綺麗だと思っただけだ」
言ってしまった。ちらりとステラの方を見ると、照れたようにはにかみながらありがとう、と言った。
「父様譲りなの。……でも父様はもう少し紫かな…」
「……そうか」
「髪は母様譲りでね、母様は巻き毛だったんだけれど」
逸らし気味だった目をステラの目と合わせる。
両親から受け継いだものを褒められた事に、相当喜んでいるようだ。
こいつの額にかかる髪を手で除ける。此方を見上げるステラの目を、今度は離さずにしっかりと見た。