Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第2章 自覚
綺麗な目に長い睫毛がかかっている。
やはり駄目だ、思わず髪に触れていた手を止めてしまうほどにその目に見入ってしまう。
離さなくてはならない。戻れなくなる。分かっているのに、目も、手も何方も離せない。
愚かな事にもそれでいいんじゃないか、という思考に陥りそうになる。このまま落ちてしまえば……
「ステラ、」
「あれリヴァイ、今日は早いな。おはよう」
不意に来たファーランに驚いて俺は頭に乗せていた手をさっと離した。
ステラも驚いたようでファーランが声を発すると同時に飛び上がった。
……来てくれてよかったかもしれない。あのままだったら俺はステラに、……
俺はステラに、何だ?何をしようとした?
ステラに魅入ってしまった、それだけじゃない…いいや、勘違いだ。ありえない。
自覚しそうな感情に無理矢理蓋をして、ファーランと仕事の話に取り掛かった。その日1日、全く何の話も頭に入ってこなかった。