Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第15章 視野
「さて、君達を集めたのは紛れもなくエレン・イェーガーについてだ。……………ヴァニーユはどうしたステラ」
「少しお使いに出させました、話は進めて問題ありません」
「そうか、なら始めよう。……端的に言うが、エレンは巨人となれる人間であり、彼の力を用いて破壊された壁の穴は塞がれた。明らかに彼は人類の味方と言えるだろうが……状況は芳しくない。市民は勿論、憲兵団等は彼を解剖して殺そうと考えている。我々は彼を調査兵として迎え入れ、ウォール・マリア奪還を目指す」
「…てめえがエレン・イェーガーを迎え入れたい理由はウォール・マリア奪還に有利になるからってだけか?」
リヴァイがエルヴィンの隣に立ち、腕を組みながら言った。
「いいや……ウォール・マリア奪還は準備に過ぎない。実際目指すのはエレン・イェーガーの生家だ。彼の家には、彼の父が残したこの世界の真相とされる物が眠っているという。我々はエレンを何としてでも手に入れ、その真相を掴み取るべく奪還をする」
彼が首から下げていた鍵にはその意味があったのか。
私は受け入れたが、周りは中々そう簡単には信じられないようだった。いや、信じようとしていても、自分の心の奥底では恐怖が渦巻いている様子だ。
ハンジさんなんかは期待に目を光らせていたが。
「そう簡単に巨人になれる人間がいることを受け入れることは出来ないだろう、だが___」
エルヴィンが話すのを遮ったのは、ドアがノックされる音だった。
「ヴァニーユです。失礼します」