Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第15章 視野
「おい…ガキども…!これは一体どういう状況だ…?」
壁へと戻ると、壊されたであろう穴に大岩がはめ込まれていたり、巨人の体から少年がでていたりでリヴァイは混乱した。
聞くところによると、その少年__エレンは巨人になれるらしい。
その同期の発案で、巨人化したエレンが岩を運んで壁の穴を塞いだ、と。
混乱が渦巻く中、リヴァイはあまりにも悲痛な顔をしていたステラを優しく抱き寄せた。ステラは腰が砕けたようにリヴァイに縋り付き、震えていた。
5年前のように騒然とした壁内は、敵である巨人が我々を救うなど、という意見が大半だった。
「ステラ」
「……ピクシス司令」
トロスト区内に閉じ込めた巨人討伐をする間、火を吹き続ける壁上固定砲の様子を見に行ってくれと言われたステラは南側領土の最高責任者、ドット・ピクシスに会った。
「君のような若く美しい子を1日巨人討伐に費やさせるのも心が痛むところがあるのう」
「……しかし、貴方の心に従えば巨人共は去ってくれましょうか」
「ははは!君も中々エルヴィンと似たところがあるな……いいや、討伐に精を出してくれ。ここらの指揮は儂が引き受けるとエルヴィンに伝えるんじゃ」
「了解しました」
「……のう、ステラ」
「はい?」
「君は以前訓練兵の様子を見に行っていたようじゃが……エレン・イェーガーを信じるか?」
「…それは今の壁内人類の心情を考えた上での答えとした方が良いのでしょうか」
「いいや、君個人の意見だ」
「……司令、私はエレン・イェーガーに会った時から彼の内の刃を認識しています……私は、彼を疑った事が1度もありません」
そうか、と満足気に答えたピクシスを残し、ステラは巨人討伐へと向かった。