Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第15章 視野
リヴァイは増援を呼び、亡くなっていく兵士に思いを託されながら迫る巨人を削いでいた。
死ぬ寸前の部下の元へと降り立つと、彼にも思いを託された。
「兵長…彼はもう……」
そう言うこいつはペトラ、先刻増援を呼ばせたやつだ。
「最後まで聞いたのか…こいつは……」
「ええ、きっと聞こえてましたよ……だって、…安心したように眠っている…」
「……ならいい…」
頼むからステラは無事でいるように、と祈りながら次へ進もうとすると、エルヴィンがやってきた。
「リヴァイ、退却だ!」
「…?!退却だと?まだ限界まで進んでねえぞ、俺の部下は犬死か?」
「巨人が一斉に北上し始めた………5年前と同じだ、街になにかが起きている……壁が破壊されたかもしれない」
「っ………くそっ…!」
「リヴァイ、壁へ向かえ。私はハンジ達を見てくる」
「エルヴィン!」
「………リヴァイ、無事だ」
ペトラは何を言っているのか理解できなかった。だが、無事だ、と一言聞いた時、リヴァイの目に微かな安堵が広がったのを見逃さなかった。