Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第14章 指導
「君たち女性だけを集めたのはね、ちょっとしたアドバイスをする為」
ステラさんは訓練兵の女性だけを集めた。
何事かと不思議がる女の子達に、ステラさんは話を続けた。
「そう固くならないで。訓練じゃあない…」
そう言って、私達に教えてくれたのは、捕まえられたりした時に逃げるための体の扱い方、手錠をされた時の関節の外し方や薬に対することだった。
実際、薬に耐性があっても強力なものでは体の動きは鈍る。そうならない為にも、出処が分からないものには気をつけなくてはならない。
女性はいくら強くとも、性行為で服従させられたら弱くなる。そんな卑劣なこと、もうあってはならない。
そう話すステラさんの目の奥に、苦しみが渦巻いていることに気付いた。
皆がステラさんに感謝を述べながら帰っていった後、私はステラさんに話しかけた。
「ステラさん」
「ミカサ」
「……ステラさんはそういう経験があって私達に教えてくれたのですか」
いや待て、違う、何を聞いている。なんでこんなステラさんを傷つけるようなことを言っているんだ…
しかしステラさんは優しく笑って私の頭を撫でた。
「ミカサには気付かれてしまうと思っていた。…私…過去に‘そういうこと’があってね。皆には同じ思いをして欲しくなくて…」
この人はなんて優しいのだろうか………
「私がステラさんを守る」
「ふふ、嬉しいな。…でもミカサはエレンを守る方が本領を発揮するからね。だから私にミカサ達のこと守らせて」
姉がいたらこんな気分なんだろうか、と思いながら、2人で部屋に帰っていった。