Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第14章 指導
「巨人に対して有効、という訳じゃないけれど」
食事中にステラさんが話した。
「追われる中での思考は役に立つ。案外、鬼ごっこって危機迫った時に対処出来ることにも繋がるんだよ」
こんなハードな鬼ごっこなどしたことない、そう誰もが思ったが、実際危機せまると人は本領を発揮するようだ。
「あの人の凄いところはただ早いだけじゃないんだ、きっと」
男子部屋でアルミンが言った。
「僕なんかあまり体力に自信あるわけじゃないから、予め木の上のほうに立ってたんだ。それで下を見てて、どこにステラさんが来るか考えてたのに」
「のに?」
「…まさか、あんな高いとこにいたのに背後から思い切り上に高く飛んで捕まえられるなんて思いもしないだろう?多分、そう仕向けてたんだ。」
「仕向けてたって…」
「さっき僕は下を見てた、って言ったでしょ。実際は上の方にいるやつが下だけを気にするように捕まえてたんだ、きっと……こんな下にいるのに、背後に来るはずもない、って油断させるために」
「はーーっ、まじかよ…
いやでも確かに、俺もライナーとかの近くにいればなんとかなると思ってたら、ライナーの後ろからあの人出てきたからな…びびった…」
「コニー、俺はお前がついてくるからお前が鬼だと誤認しそうになったんだぞ」
確かに、そう仕向けられていたのかもしれない。
自分だって、背後にいる人から捕まえていったステラさんだったから、てっきりそのまま背後から来ると思ってスピードを加速して上へ、前へと進んでいったはずだ。
自分からステラさんの方に突き進んで行ったのか俺は…?
そう仕向けたとしたら、あの人の頭の中はどうなっているのだろうか。コニーの言う通り、もしかしたら本当に目が100個ついているのかもしれない。