Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第14章 指導
ステラさんが来てから少し経った日の夜、食堂で俺達は一緒に食事をとっていた。
初日の夜にステラさんが寝る場所は女子寮と決まり(ミカサがステラさんの腕を掴んで離さなかった)、食事も一緒にしようということになっていた。
「ステラさんは何故調査兵団に入ったんですか」
俺はミカサとステラさんが話している途中だったのも気にせずにそう聞いた。
周りが話しながらも耳を傾けていることが分かった。
何故こんな美しい人が命を捨てるような真似をするのか、憲兵団や駐屯兵団志望の奴には分からないようだった。
「色々あったのだけれど…昔、エルヴィン……団長、に勧誘されたの」
「…勧誘?!」
アルミンが驚いて小声で聞き返した。
ミカサは話の途中だったため少なからずむすっとしていたが今は話に聞き入っていた。
「経緯を話すと長くなるからなぁ…でも、私がその勧誘に乗ったのには理由がある」
もう、食堂内の全ての人がステラさんの話を聞いていた。
「この世界の真相を知りたかった」
ステラさんは長い睫毛を伏せて静かに言った。
俺は驚いた。
巨人を駆逐することしか考えていなかった自分にとって、この世界そのものに疑問を持つことに気づいていなかった自分に、確かにそうだ、と妙にその考えがすとんと落ちた気がした。
「あとは……内緒」
ステラさんはいたずらっぽく笑いながら言った。
その笑顔に、心臓がいつもより激しく鼓動したのは俺だけじゃないだろう。