Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第14章 指導
その人の噂はたくさんあったが、
昔あの人に教えられた訓練兵は実力がみるみる伸びていき、その中の実力者3名は卒業後すぐに直下の部下に付けられ、1人は副分隊長となったという噂も聞いた。
そんな人が来てくれているのに、教えを請わないなんて選択肢はない。
訓練後の自主練の時、俺はキース教官と話しているその人の元へと行った。が、俺と同じ考えを持ったやつは何人もいた。
「それで、エルヴィンに言われたんだな」
「ええ」
「動いて大丈夫なのか」
「大丈夫ですよ、これもまたエルヴィンの指示で確実に治ってきています」
キース教官と話していたその人は、こちらに気づかないようで話を続けていた。
「気になった奴はいたか?」
「ええ……かなり」
俺は足を止めた。少し話を聞くことにした。
「あの黒髪の子……かなりの逸材ですね」
「ミカサ・アッカーマンか、」
「まるで全てどうすればいいか最初から分かっているような……彼のような人だと……」
「ああ、確かにあいつはあのゴロツキと同じような感じだ」
少し赤くなって話すその人にもやもやを抱えながらミカサの方を見ると、褒められたことに少し喜んでいるように見えた。