Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第14章 指導
「あ……あの、ここで寝てたので、その…」
美しさに見とれたからなのか、何かは分からなかったが自分の声が掠れてしまったし、ちゃんと話せなかった。
「……」
その人は暫く目をぱちぱちとして(長いまつ毛だなあとずっと見てしまったことに気づいて急いで目を逸らした)ぼーっとした後、はっといきなり気づいたようで俺の手を両手で包み込んだ。
「…ごめんなさい、起こしてくれてありがとう」
「い、いえ!」
握られた手が熱くなるのを感じながら、後ろにいたアルミン達の視線がこの人に注がれていることにも気付いた。
そうだ、会った時から聞きたかったことがあったんだ…
「あの、名前…「ステラ、お前こんな所で何してる」……!キース教官!」
俺は周りのやつらと急いで皆敬礼した。
「あ、…キースさん、ここ部屋じゃなかった……」
「はあ、ステラ…お前は何でもすぐに覚えるクセしてここの部屋は覚えられないなんてな…来い、こっちだ」
キース教官はステラ、と呼んだこの人を自らの部屋に呼んだ。
ありがとう、と再び俺に言ったその人はキース教官の後をついて行った。
「おいお前……」
「なんだよ、ジャン……」
「お前ああやってあの人に近づこうとしたな…」
「はぁ?んなわけねーだろ、誰かもわからなかったんだぞ!大体お前こそ喉笛がどーとか言ってたろ!」
アルミンがやれやれ、と頭をふっている様子が目に入ったが、俺はジャンの言ったことを……ちがう、と証明するためにジャンに向かっていった。