• テキストサイズ

Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】

第2章 自覚


翌朝目覚めると、物音が静かな空間に響いた。

以前ステラが微睡んでいた場所へ気配を消していくと、予想は外れそこに居たのは彼女だった。

盗人だと思い手に持ったナイフを急いで隠す。


明かりに反射してきらきらと輝く髪をなびかせて、伏し目がちな目に長い睫毛がかかっている。



「ステラ、」

呼び止めるつもりは無かったのだが、無性に名前を呼びたくなった。


「…リヴァイ」


動かしていた手を止めると、こちらを見てふわりと笑った。名を呼ばれた、ただそれだけなのに、自分の意思と反して心臓が嫌というほど跳ねた。何とか治め、彼女の方を見る。


「……此処で寝たのか」

「ううん、イザベルの所で寝たけれど早くに目が覚めてしまって……ごめんなさい、勝手に」

「いや、いい………何してたんだ?」

「紅茶を淹れてたの。朝に飲むと良いって母様が……」


はにかみながら言うステラの手元を見ると、2つ紅茶があった。気分を良くし、それを手に取った。

ステラは一瞬驚いた顔をしたが、俺が飲み始めると心配そうにこちらを見ていた。

美味い。朝はなかなか嫌いだったが、これがあるなら良い、と思えてしまうほどに。


「あ、…あのね、私なかなか入れたことなくて…」

慌てて言うステラに、軽く頭を撫でて言う。

「…悪くない」

正直悪くないどころじゃないが、ステラはぱあっと顔を輝かせて、ありがとう、と言って照れたように笑う。

/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp