Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第2章 自覚
「いや……俺はてっきり貴族の娘かと」
「貴族だ?」
「ああ……大人びていてあの美貌にあの優しさだ、まさか一般市民とは思わないだろう」
「……」
「何だリヴァイ、貴族とは思わなくても可愛らしいとは思うだろう?」
「……思ってねぇ」
「悪いな、美しいの方だったか?」
「そういう事じゃねえ、余計な詮索すんな」
はいはい、と手をひらひらと振りながらファーランはイザベル達の元へ行く。
ステラの美貌が、優しさが他の誰にもあるものではないことは分かっている。
だが、それを知っているのは自分だけでいいと思っているかのように、ファーランの口からその事が出てきた事に苛ついた。
ファーランが何かを話しステラの頭を撫でている。何故か無性にその手を除けたくなった。
先程話は終わったし、何の用があるわけでも無いがファーランの名を大声で呼び、ステラから離れさせる。
微笑しながら戻るファーランに仕事を言いつけ寝ると伝えた。
「………なあリヴァイ」
「あ?」
「いや……今はやめておこう。いつか話すよ」
にやにやと言うファーランにお前は何を言っているんだ、と視線で訴えてからその部屋を後にした。