Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第12章 845
壁外調査を終えて、というより終えることを余儀なくされて帰ってきた。いや、帰ってきてしまった。
もう、なんというか、残っていたのは虚無だけだった。
これ以上悪いことなんて起きないだろう……そう思っていたんだ。
その日、ウォール・マリアの壁は破られた。
シガンシナ区は陥落し、人類の活動領域はウォール・ローゼまで後退した。
「何が間違っていた…?何が正解だった…?」
あまりの自分の無力さに、頭を抱えるステラの肩を抱いたハンジは、何も言わずにきっと唇を結んでいた。
エルヴィンもリヴァイも、壁を見ながら呆然と立ち尽くしていた。
これからどうなる?
全ての人がそう考えていた。
1人を除いて。
これからどうするか。
巨人を駆逐し、この世から消え去ろうという思いを刃として内に秘めた少年だけは、復讐に燃えていた。