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Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】

第12章 845


壁外調査当日。

この壁外調査が、この日が、人類の最悪の歴史の始まりだと知るものはまだ誰一人としていなかった。






___________
________ 845年。シガンシナ区。

エレンは、酒に溺れるハンネス達を咎め、ミカサと共に家に帰ろうとしていた。その時、鐘の音がした。

「来いよミカサ!英雄の凱旋だ!」

ミカサの手を取り走り出すエレンの目には、調査兵団という‘英雄’への憧れで満ちていた。


だが、どうだ。

実際帰ってきた調査兵団の、皆の顔が沈みきっている。
金髪の男の人とも目が合ったが逸らされた。
そのすぐ後ろを行く銀髪の綺麗な女性も、目を伏せて思い詰めているように見えた。


しかしそんなことでエレンの調査兵団に対する思いが消えることは無かった。

母親に止められようと、市民に貶されようと、自由を勝ち取るべく進む調査兵団に必ず入ってやる、と闘志を燃やしていた。


「確かに、この壁の中が未来永劫安全だという保証はどこにもないよ」

友人であるアルミンは静かに言った。
ミカサは遠くを見つめるだけで何も言わない。

「100年壊されなかったといって、今日壊されない保証なんかどこにもないのに………」



ドォン!!!


急に、地震のような、いやそれよりも莫大な音と揺れが響き渡った。

「あ…あの壁は……ご、50メートルだぞ……?!」

驚きと恐怖で見開かれたアルミンの、遠くを物憂げに見つめていたミカサの、自由を望み続けるエレンの、それぞれの目に

人類の、自由の敵____巨人が映っていた。



その日、人類は思い出した

ヤツらに支配されていた恐怖を。

鳥籠の中に囚われていた屈辱を。

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