Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第12章 845
エルヴィンは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑って言った。
「なら、次使う為に君達には生きてもらう他ないな」
「…おいおい、犠牲を問わないんじゃなかったのか」
「ああ、そのつもりだ。だが使える駒を犠牲にはしたくないからな」
「……相変わらず掴めない人」
「君も大概そうだぞ、ステラ」
エルヴィンは少しはにかんでそう言うと窓の方に向き直った。
はぁ、とため息をついたリヴァイは私の方に体を寄せて、私の肩に頭をもたれた。
「寝る」
「急だね……でも私も眠い……」
私もリヴァイの頭にもたれながら、ゆっくりと目を閉じた。
エルヴィンはそんな2人をちらりと見て、自分が、自分の我儘で引き入れた2つの駒_____2つの絶対に手放したくない駒をこの先どう動かすか、考えていた。
人類の未来のために…自らの夢のために。
この2人を使えば、明らかに大きく前進できるだろう。だがそこに、大切に保管しておきたい、という自分の我儘が微かにちらついていることにも気付いている。兵士である以上、そんな事は許されないが。
この2人は俺の手足となって最大限活躍するだろう。
だが___いや、だからこそこの2つの駒は前進させながらも、抑制していかなくてはならない。
はぁ、とエルヴィンもため息をついた。
これ以上考え巡らしても今は頭が回らない。確かに眠いのだ。時期が迫る壁外調査のことを考えないように努め、エルヴィンも眠りについた。