Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第10章 その後
次の日、一日休みだった俺は、本来であれば2人でハンジの言う‘いちゃいちゃ’をしようと思っていたが、あんな怖い思いをしたステラをまた恐怖に縛り付けるような真似はしばらく出来ないだろうと思った。
その変わり、俺はステラの唇に貪りつくか抱きしめるかしていた。
ステラを傷つかせたくは無いため、無理に我慢しているわけではなかったが、キスする度にとろんとした目をしてもういっかい、と小声で強請るこのかわいい生き物に、理性を保てというのは拷問に等しかった。
あの男は、二度と陽の光は拝めぬような地へと派遣され、牢屋は無いものの、ほぼ牢屋と等しいような隔離された環境で死人が出るほどの過酷な仕事をさせられることとなった。
皮肉にも、彼を連行したのは中央憲兵である彼の父親だった。
そもそもステラは何もしていないのだし、これ以上お前に裂く兵力はない。
とぶっきらぼうに言ったその父親は、ステラ・グレースの罪などは無かったことにし、追っ手が2度とかからないようにしておく、と吐き捨てて出て行った。
ステラが可哀想に思ったというよりは、自分の息子の愚かさを償う為であると言い通すその中央憲兵に、簡単に消せるような罪なのに何故今まで追い続けたのか、と言うと、罪などはこの少女には無いが、上に高く売れそうだったからな、と答えた。
それを聞いた俺とハンジとミケはその憲兵を捻り潰そうとしたが、その前にエルヴィンが其奴を右ストレートで拳で殴った。
終いには其奴はへこへことエルヴィンに頭を下げながら、自分の息子のように‘こういうことをする輩’を取り締まるために精を出す、と言って逃げていった。