Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第10章 その後
翌朝、目が覚めると硬い白いベットの上にいた。
自分が何故こんなところにいるのか思い出すと、忌々しい記憶が蘇ってきた。
しかしそれは、ベッド隣に置かれている椅子に座って眠る愛しい人を見てからは少し薄れたような気もした。
と同時に、見知らぬ男に拘束された恐怖と、抵抗できなかった己の弱さを思い知らされるものとなった。
本当だったら泣いて喚きたい。だが私に泣く権利なんてない。もう、この記憶がある脳みそごと潰してしまいたかった。
堪えきれずに涙が頬を伝った時、酷く優しい声がした。
「ステラ」
リヴァイが目を開け、椅子から降りて私のそばに近づいた。
「何て顔してやがる……」
優しく話し髪を撫でるリヴァイに、思わず泣きたくなったが堪えた。
「……ごめんなさい」
もっと他に、ストーカー被害にあっていたことは心配かけたくなかったから言わなかったこととか、私が周りに沢山迷惑かけてしまったこととかきちんと理由を説明して謝るつもりだったのに、掠れた声でごめんなさいとだけ口から出てきてしまった。
瞬間、リヴァイの暖かい腕の中に包まれていた。
折れてしまうのではと思う程に強く抱きしめられた。
「お前は何も悪くねぇ。……悪い……お前を守れなかった……」
リヴァイは微かに震えていた。
「俺を……許してくれるか?」
私の失態を、この人はまた背負ってくれようとしている。今この場にいて、私を抱きしめ、私から離れないという事実があるだけで幸せなのに。
「貴方を責める事なんて何一つ無い………ありがとう、リヴァイ…私の傍にいてくれて……」
「……っ!」
リヴァイは静かに震えていた。涙は自然とあふれていた。
長い間リヴァイと抱き合っていた。