Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第9章 ✵事件︎︎
「やめて!!」
死に物狂いでやめて、と言ったが、自分では金切り声を出したはずだったのに掠れた小声しか出なかった。
「あはは、薬回ってきましたかね。
そうだ…貴方がヴァニーユを使わせてたのは知ってましたよ…実に厄介だった…でもね、目をつける部分が違いますよ、グレースさん?」
「!」
もう、下腹部には此奴のモノが擦り付けられていた。
体をよじって逃げようとするも、体に力が入らず、ただ震えるだけになってしまった。
何故姓を知っている?上官以外には教えていないはずなのに……
「ああ、何故姓を知っているか教えましょうか…?貴方は関わりを持ったことのある調査兵志望の子しか調べてなかったけど、ボクは憲兵団志望なんですよ。そしてボクの父は中央憲兵。…あ、分かりました?体震えましたね」
そう言うと其奴は、さすっていた腹の辺りを殴ってきた。
「がっ……はぁっ……」
あまりの痛さに涙が出たが、口が動かないため声は出ず、首を絞められた時のような音しか出なかった。
「そう、ボクの父親は貴方の父を追うよう命じていた中央憲兵ですよ…最初貴方だとは気づきませんでしたけどね……貴方が他の上官と話している時にグレースって聞こえてきたんですよ…!ははっ、それから僕は貴方をストーカーし始めた!」
続け様に殴られる。もう、痛さしか感じなかった。ハンマーで腹をそのまま殴られているようだ。
「父に引き渡しても良かったんですけどね…!父が遣わしたあの能無し共は貴方を殺すことは疎か売ることさえも出来なかった……ボクは自分で憲兵になって、貴方を自分で王家に売ることにしたんですよ…そうすればボクに多額の金が入りますし、父にも認められる!だから売るまで貴方はボクのものにすることにしたんですよ!」