Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第9章 ✵事件︎︎
「巫山戯んな……削がれたくなかったらさっさと事情を説明しろ!」
俺は声を荒らげて聞いた。エルヴィンとミケ、ハンジと俺に分かれて探している間、ハンジが説明した。
「リヴァイ、きっとステラは君を心配させたくなくて話していなかったんだろう。
……ステラの所に、壁外調査の少し前から睡眠薬が付着された菓子が送られてくるようになっていた。部屋も知られている、まして睡眠薬だなんて大丈夫と言えるわけが無い。
だからステラがあまり一人でいることが無いように私達はなるべくあの子のそばにいるようにした。
部屋の鍵は変えたから、部屋は心配ないと思っていたが、今度はステラが訓練中に視線を感じるようになったと言っていた。あの子の触覚は優れているからね…余計に怖かっただろう。
君が会ったか分からないが、あの子が信頼しているヴァニーユに、菓子店に行った人を調べてもらったんだが…どうやら訓練兵や兵士はほとんどそこに行っているみたいでね。犯人を特定するのは出来ていなかった。
もう大丈夫だと言ったのはステラが何かに気付いたからかもしれない……優しいあの子のことだ、私を巻き込みたくないとでも思ったんだろう…!何故その時に気付いてやれなかったんだ!」
俺の前に絶望が広がった。
何故気づいてやれなかった?
俺とステラを会わせないために上官達がいたんじゃない。ストーカー野郎と会わせないためにいたんだ。
何故ヴァニーユに聞いた書類の内容を問い詰めなかった?
「クソっ……!」
俺は拳を握りしめ、必死になってステラを探した。
ハンジも俺と同じ気持ちだった。