Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第9章 ✵事件︎︎
資料を受け取ったステラは、先程の少年の後ろの方にいた10数名の訓練兵の元に行った。
「おい」
「はい…あ、俺ですか?ステラさんの想い人さん」
「…長ぇよ。リヴァイだ」
「リヴァイさん。ヴァニーユです。以後お見知り置きを」
木陰でステラのことについて話す。
少しでも恋愛感情を抱いていたら吹っ飛ばしてやろうとは考えていた。
「……お前はあいつの事を上官としてじゃなく女として好きになったりはしねぇだろうな」
「ええ……俺は上官としてってよりステラさんだから尊敬してるんです。勿論最初見た時は何て綺麗な人なんだろう、とは思いましたよ。
でもなんというか、ステラさんが思い詰めた表情をしている時に、俺が何とかしてあげたい、ではなく幸せになって欲しい、と思ったんです。
恋人になりたい、という考えはおこがましくて。……尊敬してるんです。分かってくれますか?」
「あぁ、……お前が尊敬通り越して崇拝してることはよく伝わってきた。だが何があろうと俺はあいつを手放すつもりはねぇ。いくら尊敬してようが後輩だろうが渡すつもりはねえぞ」
「良かったです」
「あぁ?」
「ステラさんのことを幸せにしてくれる人が貴方で良かったです……俺は安心してあの人に仕えられる」
「よく分かんねえやつだな」
「大丈夫ですよ、俺はステラさんの幸せを願っているんです。ですからリヴァイさんとステラさんとの間を引き裂こうなんて考えもしません」
「……恋する前に尊敬しちまった結果崇拝まで辿り着いたって訳か…」
「まぁ、そんなとこです」
からっと笑いながら言うヴァニーユを見て、自分の愛している女がここまで尊敬されていることに気分が良くなった気がした。