第9章 せっかくの休日
「やぁ。」
なんで休日にまで無能大佐の顔を見なくちゃならないんだ?
「キグウデスネ…。」
「まったくだな。」
東方司令部に来て早3ヶ月。
ずっと忙しかったが、ようやく取れた休日。
買い物でもしようと街に出たのが間違いだった。
「大佐も休日でしたか?」
「あぁ。おまえに合わせた。」
「デートなら、もっと素敵な女性がいるでしょう?」
あんたの手帳は女の名前でいっぱいだからな。
「今日はおまえとのデートを楽しもうと思ってね。」
「大佐…。」
「ロイだ。」
「……。」
「軍服を着ていないだろう?」
だから今日は、私の上官ではないと…?
ヘ理屈だな…。
しかしこの爽やかな笑顔。
なにを言っても無駄だな…。
「わかったよ…。」
「そうか。では、今日と言う日を楽しもうじゃないか。」
そう言ってロイは、私の手を取ってまぶしい光の中に駆け出した。
せっかくの休日
きっとこんな休日も悪くない