第23章 緊張する
夕方ごろ、やっと中尉の許しが出た。
ガチャ
「…?あがるぞ。」
人の事は言えないが…。
一人暮らしには、広すぎる一軒家。
生活感のない空間。
うすら寒い階段を上ると、全部閉まった扉の中で
一番手前の扉が、ほんの少しあいていた。
扉を開けてみると
そこにはほんの少しだけ、生活している欠片があった。
「はぁ、はぁ…。」
広いベッドの中心に、荒い呼吸音。
のぞき込めば赤い顔をして、苦しそうにうなされている。
「。…。」
「ん…?」
「相当汗をかいたな。着替えは…?」
今にも消えそうな声であっちとタンスを指さす。
一番上の引き出しを開けてみると、水色のチェック柄が目に入った。
下着の引き出しじゃなくてよかった…。
「着替えられるか?」
チェック柄のパジャマを差し出し、声をかける。
「ん…。」
つらそうに起き上がると、ボタンをはずそうとする。
しかしボーっとする頭では、うまくできないようだ。
「ロイ…。」
「なんだ…?」
「できないよぉ…。」
今にも泣き出しそうな声。
「やって…。」
「………わかった…。」
テレる指先。
一つ一つボタンをはずしていく。
ピンク色に染まった素肌があらわになっていく。
緊張する
私の理性、持つだろうか……。