第22章 貸し出し
とは言ったものの、中佐はきっと大佐を待っているかもしれない。
そう思ったのは、最近の中佐を見ての事だ。
どこかソワソワしているし、ボーっと大佐を眺めている事が多い。
「中佐。」
「ん?あぁ、リザ…。」
「大佐の事が気になるんですか?」
「……君も単刀直入だねぇ…。」
苦笑しながらも、否定しなかった。
それどころか…。
「あぁ。すごぉ~く、気になるよ。」
そう言い切ったのだ。
「中尉ぃ~。」
「なんですか?」
その時の中佐の顔は、恋をしている顔だった。
「が一人で苦しんでいると思うと、仕事に手がつかんのだよ。」
大佐を愛しむ、優しい眼差し。
「はぁ~…。」
中佐のために、この人をお貸ししますよ。
貸し出し
回復したら、書類の山を覚悟してください。