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上司と部下30のお題<ロイ・マスタング>

第16章 夜勤




「中佐って、何も怖いものなさそうですよね。」


それは、フュリーの一言から始まった。


全員がそろった夜勤。
珍しく穏やかな日は、眠くなる。
その眠気を覚ますために、オレたちは調査することにした。




ケース1:昆虫害虫恐怖症


「うわぁっ!ゴキブリっ!!」
「ゴキブリぐらいでビビってどうするんだよ。」


バシンッ!!


「中佐、強いですねぇ。昆虫も平気な口ですか?」
「あぁ。平気だな。」





ケース2:暗所恐怖症


「あれ?停電?」
「うわー、真っ暗ですね。」
「今日は雲が厚くて、月も星も見えないからな。」
「蝋燭どこ行った?ジャン、火ぃくれ。」
「中佐、冷静ですね。」
「リザもな。」





ケース3:閉所恐怖症


「中佐、すみませんっ!!」
「あぁ?」


ドンッ!


「へ?」


バタンッ!


「おっ、おいっ!」


ガチャリ


「なんだってんだよ。」
「もうしばらくここにいてください。」
「はぁ?」
「………狭いところも平気なんですね。」
「は?」





ケース4:高所恐怖症


「中佐!」
「んー?」
「ちょっと来てください。」
「どうした?」


ニャァーン


「あーあ。なんだってあんなところに。」
「降りられなくなっちゃったみたいで…。」
「しょうがねぇな。助けてくるよ。」





ケース5:対人恐怖症


「それはないだろう。」
「大総統にでもケンカ売れるような人ですからね。」





はぁー…。


「あの人、マジで怖いものないんじゃないか?」
「なにしてるんだ?」
「あー、大佐ー。」
「なんだ?」
「中佐の怖いものって何すか?」
「の?あぁ…、もうしばらくしたら、わかるんじゃないのか?」


そのとき、窓の外がピカッと光り
大きな音が響いた。


それと同時に雨が降り出した。


バタンッ!!


扉が勢い良く開いて、中佐が慌てて入ってきた。


「どうしたんだね?」


冷や汗をかく中佐とは反対に、大佐は満面の笑み。


「いや…、今…。」


ゴロゴロゴロ


「ゥワァッ!!」


これはもしかして…。





















夜勤
調査報告書:中佐は雷恐怖症




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