第15章 手伝い
「こりゃまたずいぶんとため込んだな…。」
広いデスクの上には
天井まで届きそうな書類の山が、いくつもできていた。
その真ん中では、必死になってペンを走らせる男。
「おはようございます、中佐。」
「おはよう、リザ。コーヒーです、大佐。」
礼を言う暇も惜しんで仕事をしている。
珍しい光景だな。
その書類の山は、夜になっても減る事はなかった。
「入るぞ。」
「か…。」
でも返事ができるくらいは減っていた。
「ほら。半分よこせ。」
「え?」
「リザも帰ったしな。」
「………最近、口調が上官に対するものじゃないな。」
「…他人行儀になるなって言ったのおまえだろ?」
「まぁ、そうだな。」
「あ、サインする書類はおまえがやれよ?筆跡でばれるからな。」
「あぁ、そうするよ。」
手伝い
「中佐、大佐を甘やかすのやめてください。」
なんでバレたんだ…?