第13章 大義名分
「また逃げられた…。」
リザのこめかみがヒクついた。
開け放たれた窓。
爽やかな風に舞い踊る書類。
主の不在を訴えるデスク。
「毎度、毎度、懲りないなぁ。」
「中佐からも言ってやってください。」
「わーったよ。」
これ以上、リザの血圧を上げるわけにはいかないからな。
「今日はここにいたな。」
「…。」
「リザが怒ってたぞ。」
「……命の危険が…。」
「嫌ならまじめに仕事しろよ。」
大義名分
「中佐が来てからの大佐、さらにサボるようになったっスねぇ。」
「どこでさぼっても、必ず中佐が見つけてくださるからよ。」
「あー、納得。」
「子どもじみた人よね。」