第2章 絆の始まり
障子から顔を出した勇姫。
騒がしい声は長い廊下を渡り、さらにそこを曲った先の部屋から聞こえてくる。
どれだけ大きい声でじゃれあってんだか…
呆れ半分、面白さ半分で、顔を出したまま聞こえてくる声に耳を傾けた。
「…ぃぃ加減、俺と戦え、権八郎!」
「だから、伊之助!何度も言うが俺は「ちょ、伊之助、炭治郎のメシ取るなって!ちゃんと返せよっ!ほらっ!」
「うるせー!紋逸!邪魔すんじゃねぇ!ちくしょうなんでこいつは挑発にのらねぇんだ。」
「おい!善逸もちゃんと座って食べろ。伊之助も落ち着け。作ってくれた人に失礼だろう。」
……権八郎、伊之助、炭治郎、紋逸、善逸、、、
え?何人いるの?
漏れ聞こえてくる声からして三人だと思ってたけど。
………増えたの?どゆこと?
そしてよく汚い高音と共に叫びだされる「ねぇずぅこちゃぁ〜ん!」という声。
女の子も居るのかなと思っていたけど、声は聞こえないのよね。
不思議。
声をかけに行こうかなとちらりと思っていた勇姫だったが、しばらく無言のままでいた後、そのまま部屋の中へ頭を引っ込めて、障子をピシャリと閉めた。
疑問符で埋め尽くされた頭が出した結論は、
関わらないでおこう
であった。
でも、部屋に戻ると笑いがこみあげてきて、
勇姫は一人でくすくすと笑っていた。
ーーーーーーーーーーー
合流、出来なかった!