第2章 絆の始まり
勇姫が藤の花の屋敷に来てから一週間。
初めの三日は意識がなかったので、目覚めてからは四日目となる。
勇姫は順調に回復し、歩けるようにはなった。
いや、もうそろそろ剣は無理でも体力回復のために身体を動かすくらいはできるんじゃないかな〜と勇姫は思っているのだが、
ちょっと跳んでみようかななどとこっそり思うものなら、即座にお婆さんがどこからともなくやってきて、背後で「安静でございますよ」とささやくのである。
なんといっても、心臓に悪いこのやりとり。
体感にして半年程寿命が縮んだ気がする。
だから、歩くことくらいしかさせてもらえないのである。
確かにまだ痛みは強くある。
物を取るときなどに不意に動かしてしまい、「ぐぁっ…!」と一人悶絶することもある。
ここは覚悟を決めて、お婆さんの言うとおりしばらくは大人しくするのが良策だろう。
怖いし。うん。
そして。
この屋敷にきてわりとすぐに気付づいたのだが、ここには勇姫の他にも鬼殺隊士がいる。
なぜ判ったかというと、単純明快。
すっごい騒がしいから。
毎日ぎゃあぎゃあ凄いのってもう。
え、怪我してここに来てるんだよね?ん?
すこぶる元気そうに聞こえるけどなんなの。
って疑問に思う程。
勇姫の部屋は彼らとは少し離れた所にあるようなのだが、それでも余裕で聞こえてくる元気な男の子達の声。
「元気だなぁ…」
勇姫は一人ぼっちの部屋でボソリと呟いた。
自分の体が少し楽になってきたこともあり、この至極騒がしい連中にも興味が出てきた。
もしかしたら自分をここへ運んできてくれた人を知っているかもしれない。
部屋の障子を開けて、そこからひょこっと顔を出してみた。
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やっと、合流…できるのか?(笑)
どうかな?