• テキストサイズ

信頼の絆【鬼滅の刃】炭治郎

第15章 喧嘩


勇姫は善逸に「何?え?私…何かした?」と不安そうな顔で聞いた。

「…勇姫ちゃんは何も悪くないよ。」
「でも、炭治郎何か怒ってたよね?」
「怒ってたっていうか、拗ねてんだよ。」
「拗ねて…何で?」
「それは……」
「それは?」
勇姫は縋るように善逸を見つめる。

「それは、俺からは言わない。炭治郎に直接聞いてみなよ。」
善逸はそう答えた。
言えない、でななく、言わない、と発言した事から、これ以上の追及は無理と判断した。勇姫は溜め息をつき、力が抜けたように善逸のベッドの端に浅く座った。

「炭治郎があんな態度とるなんて。絶対に何かあったんだよね。…私、何したんだろ。嫌われちゃったのかなぁ。」
「それはないよ。大丈夫だよ、ちゃんと聞けば…」
善逸と勇姫がベッドで話していると、不機嫌を顔に貼り付けたような炭治郎が扉に現れた。

「あ!炭治郎!あのね…」
「…男の寝台に気軽に座るなよ。」

冷たく言い放つ炭治郎。

「え…?」
「隙がありすぎるんだよ。何?襲われたいわけ?力無いんだから組敷かれたら終わりだろ。」

扉に半身を預けたまま、腕を組み、睨むように勇姫を見る。向けられたことのない目と口調に、少し怯える。

「おい、炭治郎、いい加減に…」
「善逸は関係ないだろ。」

矛先が善逸に向いた。
文句のつけどころもないくらいの、完全なる八つ当たりだ。

「関係なくはねぇだろ。」
「関係ないよ。」
「俺は、心配してんだ。」
「頼んでない。お節介なんだよ。」
「なんだよ、それ!」
「そのままの意味だ!」

「炭治郎!!!」
二人が口論を始めたので、勇姫が口を挟んだ。

「ねぇ、私が何かしたんだよね?善逸は心配して話を聞いてくれてたんだよ。それなのにそんなこと言うのやめてよ。」
「…寝台の上で、話を、か?随分と仲睦まじいんだな。」
「おい、炭治郎!」

そのまま、炭治郎はプイッと再び部屋を出ていった。

「…マジかよ、あいつ。」
善逸は、はー…と頭をかかえる。
いくらなんでも幼すぎだろ。勇姫ちゃんにあんな態度取るなんてな…


「…私、帰るね。」
勇姫は立ち上がる。

「え、や、多分あいつ今、頭冷やしに行ってるから、もう少し待てば…」
「帰る。」

勇姫は部屋を出ていった。



/ 100ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp