第2章 彼氏の真斗と
真斗くんが部屋の扉を閉めて、廊下に2人きり。
わたしは真斗くんにおぶられたまま黙っていた。
初めて感じる真斗くんの背中。
大きくて、優しくて、安心する。
また拒否られるかも、と思いながらも
好きだな、という思いが溢れて
真斗くんの胸に回している腕の力がギュッと強くなる。
真「美山、気分は悪くないのか。」
真斗くんが背中越しに聞いてくれる。
「うん、大丈夫だよ。。
でも、迷惑かけちゃってごめんね。」
真「迷惑なことはない。2人きりになれた事は
嬉しく思っている。」
やっぱり言ってくれることはすごく優しい。
そんなことを話していると真斗くんの部屋に着く。
真斗くんは元々一人部屋だった為、
なんと布団は1組だけ。。。
どうするんだろうと思っていると真斗くんが口を開いた。
真「美山が布団を使ってくれ。
俺は畳で寝る。」
やっぱりそう言うよな。。。
でも今日はわたしも酔っていたし甘えたかった。
「真斗くん、一緒に寝てくれない。。?」
真「一緒にとは、その布団で2人でということか。。?」
「うん。。だめ?あ、真斗くんは飲んでないし
お酒くさいかな、わたし。。」
真「いや、それは大丈夫なのだが。。」
「じゃあ、こっち来て???」
真斗くんは嫌そうではなかったが
少し渋々といった感じで、一緒に布団に入ってくれた。
真斗くんが部屋の灯りを消してくれて、
壁際にあった間接照明だけをつけてくれた。
シングルの布団で大人2人だとさすがに狭く、
真斗くんの体温を感じる。
真斗くんはというと、こちらに背を向け、黙っている。
まだ寝てないとは思うんだけどな。。。
わたしは思い切って真斗くんに後ろから
抱きついた。
真「っ!?美山!?」
真斗くんは昨日の帰り道と同じようにびっくりした
様子だったが離れていったりはしなかった。
「。。真斗くん、わたしにこうやって、
触られたりするの、いや?。。」
わたしは思い切って聞いてみた。
真「いや、嫌ではない。」
「じゃあ、なんで今もそっち向いて寝ちゃうの?
ちょっと寂しいよ。。今までも、
真斗くんからわたしに触れようとしたことなかったし、
なんだか、寂しくて。。。」
わたしは酔っていることをいい事に
思っていることを吐き出した。