第3章 右腕の女<獄寺隼人・10年後>
突然現れた10年後のスクアーロは、驚くモノを連れてきた。
右腕の女
セキュリティがザルだと指摘したスクアーロは
ズカズカと部屋に入ってきて、山本を力いっぱい殴った。
「やっ、山本っ!!!」
殴った後に、殺してやりたいぐらいだとつぶやいた。
「スクアーロ!!」
スクアーロが入ってきた扉から、聞きなれない声がした。
「あぁ?」
「スクアーロ。ヤマモトを殴ったことがママンにばれたら、怒られるよっ。」
「………スクアーロの隠し子…?」
「う゛おぉおぉいっ!!バカ言うんじゃねぇぞぉ!!!」
聞きなれない声の正体は、見たこともない子どもだった。
いや………、すっごく見覚えがあるぞ…。
ミッ………
ミニマム獄寺くん?!???!?!??!?!
「う゛おぉおぉいっ!!テメェが黙っとけぇ!!!!」
「それは無理な話だな。」
「ゲッ!!!」
ミニマム獄寺くんの後ろからは、何やら冷気が漂っている。
「おい、スク。貴重な戦力を殺すんじゃない。」
「まだ殺してねぇぞぉ。」
「意識がないなら同じだろ。」
その瞬間、ビシィッと鞭のしなる音が聞こえた。
「う゛おぉおおぉいっ!!!なにしやがるんだぁ!!!」
「殺さずに、しっかり教育してきやがれ。バカ鮫。」
「ママン!!」
スクアーロを蹴り飛ばしながら、暴言を吐いた美人な女性。
その人のことを、ミニマム獄寺くんは確かに“ママン”と呼んだ。
「未央。スクアーロに何もされてないか?」
「うん。平気。」
女性はミニマム獄寺くんを抱き上げて優しく笑った。
「ほら、天竜。ツナにあいさつしろよ。」
「わかってるよ。ディーノはうるせぇな。」
優しい笑顔がすっと消え、険しい顔になる。