第3章 右腕の女<獄寺隼人・10年後>
「あの獄寺さんのワイフですか…。」
「すごいね、ハルちゃん。私もお嫁さんになりたいな。」
「ハルもです!」
京子ちゃんのドレス姿か…。
かわいいだろうなー。
「ハルはツナさんと結婚して、ハッピーライフを過ごすのです!!」
「うん。素敵だね。」
「でも、あの獄寺さんに、こーんな美人な方が!!ハルは驚きです。きっと、獄寺さんの方が惚れ込んだに決まってます!!」
「そうでもないのよ。」
「やめろ!ビアンキ、本人の目の前で!!」
「本人がいない所ならいいのね?京子、ハル。お風呂に行きましょう!!!」
「「はーい!」」
「待て、ビアンキ!!」
女の人のバイタリティってすごいな…。
思い当ったが吉日と言うか、即行動…。
嵐が去ったようだよ。
「未央、おめぇまた置いて行かれたなぁ?」
「いつものことだからね。今日は珍しくスクも置いて行かれたね。」
「珍しく……だな…。」
「ママンはいつもスク、スクって呼ぶからね。」
「まー…、そうだな…。」
「ママンはスクのこと大好きだもんね!」
あ…、スクワーロが照れてる…。
そして未央くんはクルッとこっちを向いて、笑顔で爆弾を投下した。
「大丈夫!パパンのことは愛してるから!」
えー!!!
「天竜は、隼人一筋だもんなー。昔っからそうだったなぁ。」
「ディーノさん、昔っからって?」
「オレのところに弟子入りしたあたりからかな。」
「ママンのロケットにはパパンの写真が入ってるんだよ。」
「おー、愛だな。」
「パパンのロケットにはママンの写真が入ってるの!」
「ッケ!相変わらずの夫婦だな。う゛おぉおおぉいっ!!!オレたちはどこで修業すればいいんだぁ!!!」
あ、獄寺くんが今にも爆発しそう…。
10年後っていろんな意味で怖いな………。