• テキストサイズ

イケヴァン 混血少女のファンタジア

第3章 会いたかった人


(状況は、よくわからないけどこの人は、嘘をついてないように見える。じゃないときっとこんな真っ直ぐな目をしないと思うから)

男性の目を見てコクりと頷くと、ゆっくりと口元から手が離される。

(でもどうしてこんなことを?)

考えているとほどなくして男性が小さく呟いた。

「行ったな」

気がつくと廊下の足音はなくなっている。

「細かいことを聞くのは後だ。他の奴らに見つかる前にここから出るぞ」

再び静かになった廊下へと出ると男性は、私の手を強く握り、足早に奥を目指す。

(ここを出るって言ってたけどどこに向かってるんだろう?他の人に見つかったらまずいなか?)

不安がないといえば嘘になる。

でも...。

「少し急ぐ。この手、離すなよ」

力強く握られた手から伝わってくる体温は、私の心をわずかながらに安心刺せてくれる。

(私を助けようとしてくれてるのかな?)

この手について行った方がいい気がして頷き返したその時。
/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp