• テキストサイズ

君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第15章 悪意


勝手に横を陣取り、嬉しそうに腕を搦め胸を押し付けてくる。ウザったくて腕を離そうとするも、ますます搦めて胸の膨らみをワザとか当ててくる。

「ねえ、私の名前知ってるー?」

「さあな」あー、ひどいーと言いつつさほど気にはしてない女に前回誘ってきたやつだとしか思い出せない。

「あ、ズルいよアベリア!私もリヴァイと飲みたいーってば」

「早い者勝ちでしょ。カタリナ、あっちいってよ。」

リヴァイを中心に左にアベリア、右にカタリナが陣取り周りの調査兵は冷やかすものと、もっと行けーと煽るものと騒ぎ立てている。
それは10代のガキだろ。と半ば呆れていると飲み比べで、はしゃいでるはずのハンジやゲルガーらもやってきて赤ら顔でリヴァイの周りを回り込む。

「どっち?どっちがタイプなの?」

「てめえばっかり女侍らしやがって」

「見ものだなー!おい」ウンザリしてたのが倍増だ。

「これはあれだよ、気に入った子にキスくらいしなきゃ!!」

ハンジが大声のしたり顔で宣言すると酔って調子に乗っている兵達はキースキースキース!とせまる。
普段抑制されている分なのか理性に罅が入ったヤツらは本気で面白がっている。

リヴァイからすれば面倒だしうるさいし勝手に側にいる女に興味もないしで皆の期待には応えられない。が、散らすには何かしなければいつまでもこのノリは終わりそうにもない。

静かに飲んで、キリのいいところで抜ける予定だったんだが。と無表情で思いながら妥協案として、両腕に絡みつく女ではなく自分の両手の甲に唇を落とした。
一気に周りのテンションは下がり、女達はもしかしたら自分に…と思ってた期待を見事に裏切られたがリヴァイの色気にもやられていた。

「リヴァイ!それはつまんないよ!ナニ?!自分が大好きですってことなのぉ〜!!何それ!つまんないったらありゃしない!」

人一倍騒ぐハンジにチッと舌打ちして盛り下がった空気の中をそれぞれのテーブルに帰っていくのを三白眼で追い返した。

但し、両腕にぶら下がっていただけの女二人はバチバチと火花を散らしていた。

「お前らもサッサと戻れ、俺は静かに飲みてえんだ。」

「いやーだ。ここにいるー」

「リヴァイの側から離れないんだからぁ」

逃げられず抜けられそうもない夜に観念しながらリヴァイはティアナのとこに行きたいと強く願った。



/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp