第14章 休養日
行きつけのカフェでかなり時間をとってしまった。
と、言うよりもまだ2件しか回ってない。
リヴァイに他に興味のある事、物を聞いてみると以外に本屋と帰ってきた。
「どんな本に興味があるの?」
「地上の地図や土地の習慣なんかがあるのがいい。」
リヴァイにとっては壁外以外この街も、その他も初めての場所であり、できるだけ知りたかった。
すべての街や村に行くことはなくても知りたかった。
「じゃ、この街唯一の本屋さんに行こう!」
努めて明るくティアナはリヴァイに答えた。
なんとなく今のリヴァイから掃除用具より、紅茶よりもそれが重要なのだと青灰色の瞳が強く望んでいるようだったからだ。
それほど広くはない街を並んで歩く。街並みには金木犀、木蔦の木が花を咲かせ、イチョウは黄色い葉を広げている。
「これは?」
「金木犀、橙色の花が房になってかわいいよね」
「あの木は?」
「あれはイチョウ。今の時期は黄色い葉っぱに変わるの」
「そうか、色々な種類があるな」
「うん。季節ごとに花を咲かせたり色も変わったりする…人間みたいだね」
「おい、真っ直ぐ進めばいいか?」
2人の間に沈黙が横たわりそうな前にリヴァイが本屋への道を訊ねた。
「え、次の曲がり角を左!」
「頼りにならねえ案内人だ」
意地悪そうに口角を上げてティアナに言葉をかけるとスタスタと歩いていくリヴァイにティアナは早足で追いかける。ティアナが追いついたのを横目で確認しリヴァイは歩みを緩めた。
曲がり角を曲がると直ぐに本屋はあり、ティアナは地理・歴史書が並ぶ本棚を見つけリヴァイが何冊か本を捲っている間に習慣や文化についてのコーナーをさがす。
習慣・文化といっても壁内、マリア内でもだいぶ異なる点も多い。
店主にも相談してみたが、1冊で網羅しているはずもなく。
「どんなのがいいのかな、、」
「なに唸ってる」
「うわっ!びっくりしたー!」
「さっき店主に相談していたようだが」
「うん、そうなんだけどね」
リヴァイの手には既に何冊かあり、店主からのお勧めを含めると結構な冊数になりそうだ。
「今日は簡単なやつでいい」
「簡単?」
「ああ。また来た時に考えればいい」
「店主さんのお勧めはね、この2冊なんだ。」
2冊ともとって計4冊を迷いなく購入し本屋を後にした。