第14章 休養日
せっかくの休養日。この街をもっと案内したいのに時間は容赦なく過ぎていく。
あまり回れなかったけどリヴァイは満足できただろうか?
紅茶缶の入った袋を持ちながら今日を振り返ってみる。
過ぎた時間は帰ってこないから次はいろいろな所に行きたいな。
「あの洗剤屋はどこだ。見つからない」
キョロキョロと周りを見る姿に思わずクスクス笑うと
そっぽを向かれてしまった。
「この道もう少し真っ直ぐだよ。」
「そうか」
「(姿勢いいなぁ)」
もちろん私も兵士だし、姿勢はいいと思う。それとも違ってリヴァイは何処か堂々としていて大物感がある。
程なくお店も見えて、置いてもらった荷物を受け取ってみると洗剤屋さんで購入した荷物はかさばっていて、本を持つと言っても紅茶の袋だけで十分だと譲らない。
馬を預けていた馬車屋さんから馬を連れてきて、馬に荷物を括りつけ、やっとリヴァイの両手が空いた。
「さて、帰着時間も迫ってるから出発しますか」
「そうだな」
「うん。夕食に間に合わないと困るしね」
「…お前は買いたいものとか見たいものはなかったのか」
「前の休養日で大体買っちゃったしカフェでのんびりできたから満足だよ」
笑いながら馬の用意をして来た時よりはゆっくりと本部へと戻る道へと歩を進めた。
本部に着いた頃には日が落ちきる前のオレンジと青が入り交じった空になっていて門番から帰着名簿を差し出され名前を書いて男子宿舎へと。
リヴァイの荷物の一部(紅茶の袋)だけ持ってリヴァイの部屋のある棟まで行く
「ここでいい。助かった」
「わかった。じゃ。またね」
手をヒラヒラさせて兵舎へと足を向け休養日は終わった。
なんとなくお茶を入れたマグを持って談話室に行くと二ファとケイジにアーベルもいて、仲間に入れてもらう。
「休養日だったろ、どこいったんだ?ティアナ」
「リヴァイに街案内してたよ」
一瞬だけ3人ともあんぐりと口を開いて矢継ぎ早に質問される。
「2人で?」
「…大丈夫だったか」
「いつの間に」
それぞれ答えると3人の驚きも大きくなっている気がする。
お互い腑に落ちない顔で話してみんなが勘違いしている事に気づいた。
丁寧に勘違いを解いて見ると「なんだぁ」と二ファが言った。結構失礼だと思う。
それからはいつも通り夕食時間まで他愛のない話を楽しんだ。