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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第10章 日常



ハンジ班、ジョゼル班の合同訓練。
男性兵士は闘志を燃やし、女性兵士は浮き足だっている。

「今日こそはリヴァイに勝つ!!」

「お前が勝ったら酒奢ってやるよ、カイ」

「ジョゼル班長、男に二言はなしですよ」

「おっ、強気だな??どしたんだ?」

「女にキャーキャー騒がれてるから僻んでんだよな、カイ??」

「うるせぇ!ヘラルド」

「いいぞ!カイ!あの無愛想を負かして美味い酒飲もうぜ。そんときは班員全員参加だ!」

カイのモチベーションはどうやら女性の黄色い声らしい。

ヘラルドとカイ、ジョゼルは男ふたりの不純な動機を煽りつつ準備を急がせた。



「ハハッ、ジョゼルんとこ気合いスッゲェ。ミケのとこもジョゼル班に一本取られたの、知ってるよねえ。みんなも気合い入れて行くよー!」

ハンジは班員に呑気な声をかけるが眼は笑っていない。こういう時のハンジはヤバいと班員なら知っている。負ける訳にはいかないのだ。絶対に。






プライドと半日かけた訓練はハンジ班の惨敗。
立体機動、対人格闘どちらもジョゼル班に軍杯が上がった。
ジョゼル班が得意げな顔で訓練場を後にしたのをハンジ班は苦い思いと、自分たちのこれからを嘆息しながら見送った。

「モブリット。エルヴィンに書類期限は守れないと言ってきて」

メガネの奥が光るハンジに無駄と知りながらモブリットは進言する

「既に期限切れもあります班長、早く提出しないと」

ハァハァと息切れをしているハンジ班はモブリットの説得に一縷の望みをかけるが叶わない願いだと分かっていた。

「そんな事、今はどうでもいい。特訓だ」

分かっていた、分かっていたがキレたハンジに日が暮れるまで班員全員追い回されることが決定した瞬間だった。


「も、もう動けない、、」
二ファもティアナもゼェゼェと膝に手をつき項垂れる。
「今日の、班長ハンパな、いぞ、」
アーベルも息を切らしながら元気で陽気な上官を見上げた。

「あっれ〜?!おかしいな。これだけで根を上げないよねえ?」

まだまだ扱く気のハンジに恐れていると
「それくらいにしておけ、ハンジ。」

やっと救いの手が差し伸べられハンジ班は今日を生き延びた。





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