第10章 日常
資料を返却したので帰りは腕も手も軽いけど訓練がそろそろ始まる時間。その後はハンジさんの書類仕事もある。疲れていても明日は久々の休養日だと思うと気持ちは軽い。うーんと両手をあげて伸びをひとつ。
(そういえばリヴァイの休養日はいつだろう?)
その日の夕食、当然のようにリヴァイはティアナとテーブルを囲む。
「リヴァイさん、、リヴァイ」
ギロッと睨まれ慌てて言い直す。
「なんだ」
「休養日はいつで、いつ?」
いつも兵舎か、資料室に篭っているはず。
「明明後日だ」
「う〜ん、そうなんだ。残念」
「何が」怪訝な顔をしているリヴァイに思いついた事を言ってみる。
「休養日が同じ日でリヴァイが良かったら一緒に街まで、と思ったんだけど…」
「お前の休養日は?」
「明日」
「そうか、なら次はいつだ?」
頭の中のスケジュール帳を開いて確認する。
「予定通りだと8日後ね」
「その時に案内してくれ」
「えっ?次は同じなの?」
「…同じだ」
間が開いた返事が少し引っ掛かるけど同じ休養日なら街へ出てお気に入りのカフェでゆっくりできる。
「じゃあ、美味しい紅茶が飲める所に行こ」
「わかった」
食事を終えてトレイを持ち上げるとハンジが疲れた様子で食堂内をフラフラしていたがリヴァイとティアナを見つけるとニタ〜と面白いおもちゃを見つけたとばかりに近づき、リヴァイはスイっとティアナと
ハンジから距離を取った。
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「入るぞ」
「うおっ、リヴァイか。ノックくらいしろよ、、」
「休養日だが、明明後日の休みを調整できるか?」
「いきなり何だ、そりゃ」
ジョゼルは初めての頼み事に驚いてしまった。
この愛想のない部下は歓迎会という名の飲み会も即答で断ってきたのを無理やり参加させた経緯がある。それはごく最近の事だ。
「8日後に休みをくれ」
「あぁ?急用か??」
「できるのか、できないのか?」
普段からぶっきらぼうなリヴァイが更にぶっきらぼうに、答えを急かす。
「出来ないこともないがまず申請書を出せ。後、ちゃんと班長と呼べ」
「休養日については申請書出しゃいいんだな」
聞きたいことだけを聞いて踵を返すリヴァイとジョゼルのやり取りにそばに居たゲルガーは大笑いしジョゼルは苦虫を噛んだ表情でゲルガーを睨みつけた。