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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第47章 動き出す過去※


トントン。ノックの音にエルヴィンが来たか。と思い開けるとハンジが辛気臭え面でたっている。
「夜遅くにごめん。ちょっといいかな」
いいわけねえだろ。心の中で毒づきながら執務室へ入れてやる。いつもの阿呆顔はどっかに置いてきたらしい。こいつが何を言いに来たのか凡そ予想はついてるが俺じゃなくエルヴィンに聞きやがれ。収まらないムカつきを隠すことなくソファに座るとハンジは切り出した。

「あれは誰が言い出したの?」
予想はついていたが俺の所に来るのはおかしいだろう。しらばっくれてエルヴィンに聞けと言うが聞きゃしねぇ。

「エルヴィンに聞きに行くのはまずいと感じた。ならあなたしかいない」
ハンジは普段落ち着きなく巨人にしか興味がないがそれでも勘は鋭い。
はあ。とため息を漏らして言うべきか迷ったが当事者だけでは心もとないのも事実だ。
観念してこれまでの話をどこまで話すかを考えながらハンジの様子を伺う。「ねぇ、全部話してくれないかな。ティアナを守りたいならあなた達だけでは隙ができるのはわかってるだろう?」リヴァイが懸念していたことを見通している目でハンジは逃がしてはくれない。
観念して事情を全部話すとありがとう。とハンジから思わぬ礼が帰ってきた。

「ティアナは自分が餌になるのも承知の上で今回の夜会に臨むのか。ならさりげなく彼女を守らなくちゃね!」さっきまでの態度を消していつものようにおどけたハンジに何度目のため息を殺しながら迫る夜会についての対策を挙げていく。

「まあエルヴィンのことだ。私達よりも策は考えてるとは思うけど慎重になるに越したことはないからね」
帰りしなに「心配するな、と言っても無駄だけど相手に悟られない様に守らなきゃね」
そう言いながらひらひらと手を振って出ていった。
俺は訓練よりも疲労を感じてベッドに寝転んだが目は冴えて一人室内の鍛錬室で汗を流した。


※※※
その頃エルヴィンは深夜にも関わらず思考を巡らせていた。
エリーは相手にとって都合のいい駒でしかない。使えなくなったら容赦なく切り捨てられる。それならばリヴァイの言う通り事が起こる前に問い詰めるのが一番手っ取り早い。だが、いつまでも隠れてはいられないことも相手の執念から考えると遅かれ早かれ行動に移したはずだ。それも調査兵団にいる可能性が高いと判断したなら探し出すまで諦めたりはしないだろう。

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