第47章 動き出す過去※
それでも納得いかずティアナを危険に晒すような真似をしたくなくてあれこれ言うが、エルヴィンの一言で黙るしかなかった。
「ならばリヴァイ、ティアナが安心できない状況に加えて、お前もいつ害されるか分からない状況にいつまで耐えられる?」
ファーラン、イザベル。
「わかった。だがティアナに危害が及ばない策で俺から離すな」
「確約はできないがティアナの安全を第一にしよう」
※※※
ティアナのいる部署には業務上立ち寄る事は多い。
できれば人目につかないほうがよかったけど要は伝え、みずから行動させれば良い。出入口に近いティアナの席に近づき耳元で囁く。もちろん口止めも忘れずに。目を見開いているティアナはきっとこちらの狙い通りに動いてくれる。
後はティアナの意思を尊重するように動きかけるだけでいい。
※※※
中庭のベンチに座ってずっと考えている。
夜会の出資者が私の出席を指名?
その夜会に出るか出さないかで揉めてる?
私は出資者の方の事は知らない。なら。何故?きっとアーリアを知っている誰かが表に引きずり出そうとしている?
エリーさんが耳打ちした言葉がぐるぐると回り、毒のようにじわりと思考を侵食していく。ディート?ディアナ?それとも両方?どちらであれ私にとって最悪なのは変わりない。以前なら壁外でどうなろうと構わなかった。何かあったとしても少なくともクルトたちが脅かされることは無くなる。それしかないと思い込んでいた。今は。私自身も生きて大切な人たちも守りたい。生きていたい。両方を叶えるにはどうしたらいい?
状況を確認したいのに時間が足りない。今日明日で情報は集まらない。せめてクルトにだけでも……
「ティアナ」
低い、聞き慣れた声が私を引き戻す。
「こんなところでどうした。部屋に行ってもいないから心配しただろうが」
「リヴァイ」
近づいてくるリヴァイ。私の存在は兵団にまで迷惑をかけている?今度はどこへ行くの?嫌だ。逃げて隠れて生きていくのはもう嫌だ。
「何があった?顔色が悪い。冷えてるじゃねえか。もっとこっちにこい」
黙っている私の隣にリヴァイが座り、手を握っている。
「リヴァイ」
壊れたおもちゃのように名前を繰り返す私をリヴァイはそっと抱き寄せる。
「大丈夫だ」
リヴァイのぬくもりと香りが私を包んだ。