第47章 動き出す過去※
翌日、エルヴィンから時間と場所指定で呼び出されたのは立体機動の訓練場だ。
あいつのことだ。訓練をしたかっただけなんてのはない。
最近のことなら決まってる。クソ。どうしてもティアナに無理させるならぶん殴ってでも止めてやる。
「やぁ、リヴァイ。約束の時間より早いな」
「てめぇも早いじゃねえか」
立体機動装置の装備確認をしながら軽口を叩く。
「おい、何のために呼んだ?」
「まずは体を動かしてからだ」
「なぜだ、不都合がないなら今でいいだろう」
含みのある笑いを浮かべながら「後だ」
こういう時は大体碌でもないことを自然な振りをして話す男だ。俺からすれば面倒でしかないが、いいだろう。付き合ってやる。
風の向きにできるだけあわせて飛び邪魔な枝を切り落としてエルヴィンを抜き最終地点に着地する。
「はは、やはり鍛錬が足りないな。良い汗をかいた」
水を飲むエルヴィンの喉が上下する。
落ち着いたところで肝心の用を切り出してきた。
「今回の夜会にはティアナにも出席してもらう」
「……っ」
思わずエルヴィンの胸ぐらに掴みかかる。
そのままの体勢で出来るだけ感情を押し込み問う。
「……理由は」
「お前が言った通り、胡散臭いのと、きな臭いからだ」
「説明しろ」
エルヴィンの体を放すと乱れた兵服を整えながら説明し始める。
「まず会議でもあったようにティアナの指名は不自然だ、そして何故か出席させたくて仕方ない人間がいる。」
益々ティアナを関わらせたくない。
「それはどういうことだ、簡潔に話せ」
せっかちだな。と微笑みながら言っているがその目の奥は冷徹な光が宿っている。
「お前も不自然さを感じなかったか?いつも目の敵」にしているティアナを華やかな場所へ連れていくべきだ。と主張していただろう」
「あの女か」
「今は動くな。下手にこちらが知っていると厄介だ」
「どうしてだ、今すぐ吐かせてしまえば問題はないだろ、それにお前も知っているだろ、ただでさえティアナの命を狙うような奴らがいるってことも」
「だからだ。ティアナが過去を殺して今の彼女があるが不安定な状況を打破しないといつまでも怯えて暮らすだけだ」
淡々とエルヴィンは告げた。